第11②回 『 鍼灸治療 』平成21年07月11日(土)


鍼灸治療ってどんなもの?

  1. 鍼灸はどうして効くの?
  2. 鍼は痛くない?
  3. 鍼はどんなもの?
  4. 鍼はどんな症状に効果があるの?
  5. 鍼を刺すと痛みが取れるのはなぜ?

01 鍼灸はどうして効くの?

体が本来持っている自然治癒力を正常に働かせる手助けをします。刺激によって、血行や自律神経のバランスが整えば身体は健康な状態に近づきます。

例えば、ケガをすると出血し、ジクジクしたあと瘡蓋が出来、それが取れて治っていきますね(^・^)!。
また打撲したら青あざが出来て、徐々に薄くなって元の色合いや形状に近づいていく様に、体は放っておいても、ある程度までは治そうとします、その自然治癒力を引き出そうとするのが鍼灸治療です。体にあるツボに刺激を加えることによって自然治癒力に働きかけるのです。この場合、患者様の体調はもちろん、施術者の技量にも大きく左右されます。


02 鍼は痛くない?

鍼を刺す瞬間、チクッと感じる程度でほとんど痛みはありません。鍼がどうしても怖い、抵抗があるという方には刺さない治療法もあります。

かき鍼

長さ3㎝ほどの熊手のような鍼


ローラー鍼

ローラー鍼


例えば鍼灸治療の鍼を刺すとするならば、採血や点滴の針は皮膚を切ると言う表現に近いと思います、そのぐらい針の太さに違いがあります。蚊が刺す程度とお考え下さい。また刺さない治療法というのは上記写真のような鍼で、体の表面やツボに弱い刺激を加えて体調を整えようとする方法です。


03 鍼はどんなもの?

鍼灸用の鍼は、髪の毛ほどの太さで、直径0.16mm程度です。注射針とは全く別の物とお考え下さい(全て使い捨ての鍼を使用しています。)

トンボ針、注射針、鍼

・点滴、採血用 ・注射用 ・鍼灸用

針先 鍼先

①注射用の針先 ②鍼灸用の鍼先


点滴や採血用(直径0.7mm)、及び注射針(直径0.5mm)と違って鍼灸用の鍼は直径が0.16mmと非常に細いです。また、鍼灸用の鍼先は注射針などと違って先端が丸に近いです。


04 鍼はどんな症状に効果があるの?

肩こり・腰痛・神経痛はもちろん、生理痛や胃もたれ、円形脱毛や不安神経症など多くのつらい症状に効果があります。

【神経系】神経痛、自律神経失調症、頭痛、不眠症、めまい
【運動器系】五十肩、頚肩腕症候群、むち打症、捻挫、坐骨神経痛
【循環器系】高・低血圧症、動脈硬化症、動悸、息切れ
【呼吸器系】風邪、風邪の予防、咳嗽、気管支炎、喘息
【消化器系】胃下垂、胃酸過多、 十二指腸潰瘍、下痢、便秘
【代謝内分秘系】糖尿病、痛風、脚気、貧血
【婦人科疾患】更年期障害、生理痛、冷え性、不妊症 、逆子


一般的に鍼灸治療といえば、肩こりや腰痛などを思い浮かべる方が多いと思いますが、WHO(世界保健機構)が認める鍼灸治療適応疾患には上記表のように多くの疾患があります。中国や日本はもとよりアメリカ・カナダ・オーストラリア・スイス・ポルトガルなど世界各国で鍼灸治療が行われています。


05 鍼を刺すと痛みが取れるのはなぜ?

脳から痛みを和らげる(エンドルフィン・ノルアドレナリン・セロトニンなど)物質が大量に産生されるからではないかと言われています。
図-鍼刺激と鎮痛物質

鍼の刺激が脳に伝達され、その刺激が脳内モルヒネ様物質(鎮痛物質)の放出を促進するので痛みが和らぎます。また鍼灸刺激が脊髄の神経を介して痛みを抑制するゲートコントロール説や、ツボ刺激が痛みの閾値を上昇させて結果的に鎮痛効果が期待できる説などがあります。

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